「グランツーリスモ7」は世界中のサーキットを走行できます。
しかし、その中でも初心者泣かせのコースが「ニュルブルクリンク」です。
攻略が難しいコースは色々とある中で、このコースだけは別格です。
ニュルブルクリンクのコースについて解説します。
ニュルブルクリンクの歴史
ニュルブルクリンクの歴史について、カンタンに解説します。
ニュルブルクリンクは、ドイツ北西部のラインラント=プファルツ州に位置する、世界でも有数の歴史を持つレースサーキットです。
1925年に建設が開始され、地元議員の推薦やADAC(ドイツ自動車連盟)、政府の支持を得て進められたこのプロジェクトは1927年に完成しました。
当初の名称は「Nürburg-Ring」でしたが、1933年にナチスの資金援助による改修が行われ、「Nürburgring」という現在の名称に変更されました。
このサーキットは、アイフェル地方の豊かな森の中にあり、古城ニュルブルク城を囲むように配置されています。
近隣の大都市としてはケルンがあり、ケルンからは南に約60kmのところに位置しています。
ニュルブルクリンクは、全長20.832kmの北コース(Nordschleife、ノルトシュライフェ)と、1984年に新設された全長5.1kmのGPコース(GP-Strecke、GPシュトレッケ)の2つのサーキットから成り立っています。
Wikipedia ニュルブルクリンク より引用。
ニュルブルクリンク 北コース 全長20.832km
ニュルブルクリンク GPコース 全長5.1km
北コースは「世界有数の超難関コース」「世界有数のドライバーズサーキット」として知られ、スポーツカー開発の聖地とも呼ばれています。
また、北コースはF1ドイツグランプリの開催地としても知られていましたが、1976年を最後に安全性の問題からGPコースでの開催へと変更されました。
この変更は、ニキ・ラウダの事故を含む複数の安全上の懸念が原因でした。
約90年以上の歴史を持つニュルブルクリンクは、自動車レースの歴史だけでなく、自動車産業の発展にも大きく寄与してきました。
ニュルブルクリンクの北コースは、今でも多くの自動車メーカーによる車両開発のテストコースとして、また24時間レースなどの舞台として使用され続けており、モータースポーツの歴史において重要な役割を果たしています。
ニュルブルクリンク24時間レースとNLS (Nürburgring Langstrecken-Serie)は、約5kmのGPコースと約20kmのノルドシュライフェ(北コース)から構成される全長約25kmのサーキットで行われます。
予選は北コースのみで行いますが、GPコースも使用し、スタート/ゴールラインやピットはGPコースを利用します。
F1が開催されない理由
ニュルブルクリンクで最後にグランプリが開催されたのは47年前で、ニキ・ラウダの事故の影響もあり、北コースでのレースは1976年を最後に途絶えました。
この事故はF1の安全基準を見直すきっかけとなり、以降F1はニュルブルクリンクの北コースで開催されていません。
北コースは、その長さと複雑さから「グリーンヘル(緑の地獄)」とも呼ばれ、非常に長いコースであることが特徴。
全長20.832kmにも及ぶこのコースは、73のコーナー(北コース)と様々な高低差を持ち、ドライバーにとっては究極の挑戦とされています。
レースの安全性を確保するためには、マーシャルの人員確保、事故発生時の消火活動や救助、事故車両の撤去や運搬、コース上の部品や破片の片付けなど、迅速かつ効率的な対応が求められます。
ですがニュルブルクリンクの北コースはその長さと複雑さから、これらの対応が困難であるとされています。
- 救助隊の到着時間: 長い箇所では10分以上かかる場合があり、F1の安全基準を満たしていないと判断。
- コース幅: 狭く、緊急車両がスムーズに移動できない箇所がある。
- 観客席: 多くの観客席がコースから離れており、事故発生時の安全確保が困難。
- 現代F1マシンの安全性: 近年、F1マシンの安全性は向上していますが、ニュルブルクリンク北コースのような高速コースでは、依然としてリスクが高いと判断された。
- 経済的な理由: 開催費用が高額で、観客動員数も減少傾向にあったため、収益確保が困難。
特に事故が発生した場合、救助隊が現場に到着するまでの時間が長くなる可能性があり、ドライバーの安全を確保する上で問題となります。
また「北コース」は天候の変化が激しく、にわか雨や濃霧などが発生しやすい地域に位置しています。これにより視界が悪化し、レースの安全性がさらに低下するリスクがあります。
コースの安全対策
上記の問題に対して主催者側は様々な対策を講じており、安全性の向上に努めているようです。
- マーシャルの人員確保
ニュルブルクリンク北コースは25kmを超えるため、約230人のマーシャルが配置されているそうです。これは他のサーキットと比べても非常に多い人数です。
2023年からは、AIカメラシステムを導入し、マーシャルの負担軽減と安全性の向上を目指しています。
- 事故発生時の対応
消防車、救急車、レッカー車など複数の緊急車両が待機しているので、事故発生時に迅速に対応できます。
コース全体に緊急連絡用の電話が設置されており、マーシャルは迅速に状況を報告することができます。ヘリコプターも待機しており、必要に応じて迅速な搬送が可能となっています。
- 救助隊の到着時間
事故発生場所によっては、救助隊が現場に到着するまでに数分かかる場合があります。2023年からは医療従事者をコース内に配置するなど、迅速な救助体制の強化が進められています。
実際のレースでも「グランツーリスモ7」でもコース難易度は高い
「ニュルブルクリンク」は非常に高い難易度で知られており、世界中のレーシングドライバーとゲームプレイヤーにとって究極の挑戦とされています。
実際に「グランツーリスモ7」でプレイしていても非常に走りにくいと感じます。
全長20km以上に及ぶこのサーキットは、通常のサーキットのように路面はフラットではなく、もともと一般道をサーキットに転用したため路面の凹凸が激しく、タイヤが接地しにくい箇所が多々あります。
これにより車両の挙動が不安定になりやすく、高低差のある路面と狭いコース幅のため追い抜きが非常に困難であり、ドライバーは細心の注意を払ってコントロールする必要があります。
また全長20.832kmという長大なコースは、少しでも油断したり見誤ったりするとコースアウトやタイムロスに繋がるため、完璧な走行ラインの維持が求められます。
とにかくコースに慣れること
ゲーム「グランツーリスモ7」においても、ニュルブルクリンクの再現度は非常に高いです。
YouTubeの動画で実際のニュルブルクリンクのタイムアタックなどを観ますが、グランツーリスモ7のニュルブルクリンク北コースは実際のコースとほぼ同等に再現されてます。
ゲーム内でのニュルブルクリンクは、リアルな物理エンジンと精密なトラックモデリングにより、実際のドライビング体験に近いと思います。
このコースを攻略するには、単純に「走り込み」しかないですw
他のサーキットに比べると長いコースであるため、まずコースを覚えることが一番先にやることです。
それとこれは個人的な意見ですが、一番難しいのはブレーキ(減速)のタイミング。
慣れるまではアシストセッティングの「走行ラインアシスト」や「ブレーキングエリア」をONにして、ブレーキング位置を確認します。
ニュルブルクリンクは高低差の影響で先のコーナーが見えないことがあるので、特に高性能のクルマでは減速が重要。
オーバースピード気味でコーナーに進入してしまい、曲がり切れずに壁に貼り付いたり、コースアウトするなどの大幅なロスタイムに繋がってしまいます。
ほんの少しのタイミングのズレでタイムに差が出るので、ブレーキングのポイントを掴むことでスムーズに走ることができます。
中途半端な減速はコーナーの脱出スピードでもロスタイムになるので、キツいコーナー手前では減速は強めで立ち上がりは徐々にパワーを上げるような走り方が良いと思います。(指先で調整するのは難しいですが)
慌ててアクセルを乱暴に開けるとタイヤが空転し、姿勢が乱れたりして立ち上がりが遅くなります。
それと、中速コーナーなどではアシストセッティングの「ブレーキングエリア」の目印が出ないことがあります。
ブレーキングエリアの目印が出なくても減速が必要なコーナーもあるし、ほんの少しのブレーキングやアクセルOFFで曲がれるコーナーもあるので、そういう箇所も覚えておきます。
「スタビリティ・マネジメント」「ABS」は最初は弱めにして、走りやすいセッティングにします。
特にゲームコントローラー(パッド)でプレイする人は、指先では繊細な操作をしにくいので、無理をせずにアシストを上手く使って走行して下さい。
「車両をセッティングすることで速くなる」という意見もありますが、まずはデフォルトで一度走ってみることをオススメします。
セッティングしない状態で走行して、ノーマルの挙動を掴んでから色々と細かいセッティングやチューニングを行い、自分好みになるようにセットアップしていくことで上手くなります。
具体的に「こうすれば早く上達する」という方法はないので、地道に練習するしかないと思います。
コースの特徴を正確に把握し、車両のセッティングやドライビングテクニックを磨くことで、この難易度の高いコースを攻略することができます。
ニュルブルクリンクは、実際のレースでもゲームでもドライバーやプレイヤーの技術と集中力の限界を試すコースです。
まとめ
ニュルブルクリンクはモータースポーツイベント以外にも、自動車メーカーによるテスト走行やタイムアタックの場としても頻繁に利用されています。
メーカーは新型車の性能を試すため、または市販車のタイムアタック記録を更新するために、この過酷なサーキットでテストを行います。
例えば、ホンダはシビックタイプRでニュルブルクリンク北コースのFF最速記録を更新しました。
このように、ニュルブルクリンクはモータースポーツの競技場としてだけでなく、自動車開発において重要な試験的な機能もしています。