今回は日本とアメリカの交通事故の傾向、および両国の道路事情について記事にします。
YouTube上にはドライブレコーダーの映像が色々アップされてます。交通事故に関する映像も様々で、見比べてみるとそれぞれ両国の違いがあって非常に興味深いです。
交通事故の映像を観ることで、どういった場面で事故が起こりやすいのかという原因を探り、その原因に対する対処法を考えることができます。
加えて、それぞれの国の国民性や考え方などを知ることは大変面白いですし、今後の安全運転に活かせるんじゃないかと感じたからです。
普段から「安全運転」について意識していますから、こういった交通事故の映像を比較することで日本とアメリカの違いに気付くことができます。
個人的な意見も混ぜて、両国の交通事情や交通事故の違いを検証してみます。
日本とアメリカの交通事故の違い
交通事故なんてどの国でも同じようなものだと思っていましたが、映像を見ると日本とアメリカの交通事故にはちょっとした違いがあります。
これはもともとの道路の広さ(もっと言えば国土の広さ)と、それに関連したスピードレンジの違い、クルマの環境の違い、その国の国民性みたいなものの違いがあります。
2022年の日本とアメリカの交通死亡事故の件数は以下のとおりです。
国 |
交通死亡事故件数 |
人口10万人当たりの交通死亡事故件数 |
日本 |
2,956件 |
2.24件 |
アメリカ |
43,100件 |
12.7件 |
日本とアメリカの交通死亡事故の件数は約14倍の差があります。人口10万人当たりの交通死亡事故件数で比較しても、日本はアメリカの5分の1以下です。
国の総人口やクルマの保有台数は違いますから、確率的に言えば数が多い方が事故率は上がります。しかしそれでも日本国内の事故映像に比べたら海外の事故はかなりエグいものが多いです。
上の表でもわかるとおり、死亡事故件数は日本と比べるとかなり多いです。これには何か重大な事故に繋がる原因があると思いました。
日本とアメリカの道路の比較
日本の道路はだいたい片側一車線の道路で、国道やバイパスは片側二車線というのが一般的です。
一部の高速道路やバイパス、人口の多い都市の国道などは片側三車線という広い道路もありますが、地方に住む人間にはあまり馴染みがありません。
しかも日本の道路はすれ違うのがやっとという道路もありますし、急な坂道や高低差の激しい峠道も多いです。
それに道が狭いが故に「譲り合い」というのも意識的に行うドライバーは多い気がします。(最近はそのような意識は薄れているようですが)
一部の超絶ワガママなドライバーを除いて、日本の道路(国土)は狭いから譲り合わないとクルマがスムーズに流れないことを理解しているからだと思います。
アメリカの道路は道幅に余裕がある
アメリカの道路は日本に比べたらはるかに広いですw
アメリカ本土には行ったことはありませんが、ハワイ、グアム、サイパンには旅行したことがあるので、幹線道路の広さは実際にこの目で確認してます。
アメリカ本土になればそれ以上に道路が広くなっているのは映像を見て確認できます。
主要道路は片側二車線なんてのは当たり前で、センターラインのない道や片側1車線の道路でも道幅や路肩はとても余裕があります。
アメリカは右側通行ですが、一部の一般道には中央部の車線を左折車専用のレーン(日本で言えば右折車専用)として設けられています。
ですから中央分離帯が設置されている道路を除いて、普通の一般道には中央にも左折車専用の車線があるというような作りになってます。
そういう仕組みになっているので、本線のクルマの流れを妨げることなく曲がることができる訳です。国土の広さがあってこそのアメリカならではの合理的な考えです。
そしてフリーウェイは片側3車線、4車線、5車線というようにメッチャ広くて羨ましいですw
ほぼまっすぐという道路が多く、それもかなり長い距離が続いてますから、道幅の余裕と車線の多さもあってクルマが走行しやすい環境になってます。
しかし、この道路の広さと車線の多さ、直線道路が多いというのが事故を引き起こしやすい要因として考えられると思います。
事故映像を見て感じたこと
事故映像を見て自分が感じた海外のドライバーの傾向を順に挙げてみます。
道路の広さに関連している部分もありますが、それ以上に国民性も感じられます。
日本にも下記に記したようなドライバーはいますけど、海外に比べたら少ない方です。
わかりやすく簡潔にまとめてみました。
- 2車線や3車線という道路で、交差点での右折や左折の最中に隣のクルマと接触する事故がある。曲がる最中に車線変更するドライバーがいるので、自分が走行している車線に平気で割り込んでくる。あるいは併走しているにも関わらず横も確認しないで車線を変えてくるので隣同士で接触事故を起こす。
- 路上駐車がエグい。とにかく至るところで路上駐車を見かける。交通事故が起こると駐車しているクルマまで巻き添えを喰らって被害が大きくなる。これはこの国の文化や制度の違いで、アメリカは車庫証明がいらないというのも理由の一つ。
- 全体的にスピード超過気味。道幅に余裕があり直線道路が多いのも原因。前車との車間距離も狭い傾向があるので、結果的に減速が間に合わない事もある。信号待ちや渋滞の列にオカマを掘ったり、信号無視などの前方不注意も日本に比べると多い気がする。
- 後ろを見ないし横も見ないで車線変更。その上指示を出すのが遅いし指示を出さないドライバーも多い。ろくに後方も確認せずにUターンする。いい加減というか自己主張が強く、ある意味自分勝手な運転の傾向が見られる。後ろから来たクルマは突然の出来事で対処できずに追突というパターン。
- クルマ同士で接触しても多少の事は気にせずそのまま行ってしまうこともある。そもそもキズや凹みを気にしない人が多い。フロントガラスが割れていようがお構いなし。
- 大型トラックや大型トレーラーは日本と違って超ロングボディ。このため内輪差が非常に大きいので他のクルマや設置物を巻き込む。リヤのオーバーハングも大きいので、気を付けてないと後ろの荷台でアチコチ引っ掛ける。
- フリーウェイの出口やジャンクションで慌てて進路変更するドライバーがいる。3車線以上あっても端から端まで車線変更する。それとフリーウェイの本線に合流してすぐに車線を跳び越えて追い越し車線へ車線変更するドライバーも多い。
- ちょっと離れた市街地や住宅地付近などは信号機が設置されてない交差点も多く、交差点に差し掛かっても減速しないで通るため衝突事故が起こる。一応「止まれ」の標識はあるが、路上駐車が多いので交差点付近の見通しが非常に悪い。止まれの標識がある交差点でも平気で無視するドライバーもいる。
- 割り込みやあおり運転、ちょっとした意思疎通の行き違いでトラブルになるケースが多い。日本にも少なからず存在するが、アメリカの方はもっと極端で過激。気に入らないと挑発ポーズをしたり、前に割り込んで急ブレーキを踏んだり道を塞いだりして走行を妨害。わざと幅寄せして邪魔したりクルマをぶつけてそのまま走り去ったり。もっと過激な場合は降りてきて暴言を吐いたりケンカにも発展してしまう。
- 更に怖いのは、相手が大型トラックだろうがお構いなしに相手の前に割り込んで急ブレーキを踏んだりするので非常に危険。普通の人ならトラックに妨害するのは自分にも危険が及ぶ危ない行為だが、あちらの方は平気でやらかす。 こういった一部のドライバーは激情型で攻撃的なロードレイジと呼ばれている。
映像で見る限り、上記で挙げたような事故やトラブルが多い傾向にあります。もちろん一部の人間がする行為だと思いますが、悪目立ちするドライバーは多い気がします。
アメリカでの交通事故映像からわかること
道が広くて走りやすいのは確かですが、道幅が広すぎるので感覚が麻痺して自然とスピードが出てしまいます。制限速度は決まっているようですが、見た感じだとそれ以上のスピードで流れています。
車線も多く左右にそれほど注意しなくても余裕で走れるという意識から、後方も確認せずに車線変更したり突然曲がったりして、後方から来るクルマに衝突するといった事故映像が非常に多いです。
突然の車線変更で慌てて他のドライバーが避けて事故に繋がるケースもあります。
この辺りは日本と違って、車線が多く道幅も広いという環境から生まれる油断ではないかと思います。
それに結構なスピードで流れているにも関わらず車間距離は狭く感じます。あのスピードでブレーキやステアリングが間に合うかどうか疑問です。
とにかく映像からは「早い者勝ち」みたいな印象を受け、自己主張が強い傾向があるように思います。
それとアメリカや欧州では路上駐車は比較的許容する考え方がありますが、日本では駐車違反は厳しく取り締まります。
やはり国土の広さや安全運転に対する意識が日本とは違うということです。
国民性の違い
日本では一部を除いてお互いに譲り合う、という感覚が身に付いているドライバーが多いと思います。
例えば、合流地点の渋滞では合流する車を一台おきに合流させるとか、高速道路などで本線を走行中、合流しようとするクルマがあれば追い越し車線へ車線変更して本線へ合流しやすいようにするなど、全体的に見れば自己主張は控えめで周囲を考えた運転が多い印象です。
しかしアメリカではそういった考えは少ないように感じます。
アメリカでは個人主義という考え方が多く、自分の権利を主張するという傾向が強いです。(あくまで映像を見た感じですから、国民すべてがそうとは限りません)ですから周囲のことよりもまず「自分」という考え方だと思います。
平気で鼻先をかすめるぐらいの割り込みをしたり、二車線以上も飛び越して車線変更します。
自分の主張を優先するので周囲の事はあまり考えないような運転も多い気がします。
こういうドライバーが多ければ必然的にカチンとくるドライバーもいて、走行中に頻繁にクラクションを鳴らすことが多いです。自分の走行を邪魔された怒りによる煽り運転も見かけます。
向こうのドライバーは日本のような嫌がらせみたいなことはせず、物理的に攻撃してきますw
とにかく「やられたらやり返す」というドライバーは多いです。物を投げたり、ジュースを撒いたり、わざとぶつけて逃げたりなど、向こうの人は平気でやらかしますw
大型トラックの前で急ブレーキを踏んだりするなど、日本では考えられない行動もしてきます。
大型トラックにそんな事をしたら自分も怪我をする恐れだってあるのに、後先考えずにやり返してます。
それに多少ぶつけたり凹んでいても修理せずに平気でクルマに乗ってますから、日本とは根本的に考えが違うんでしょうね。少しぐらい接触しても走り去ってしまいます。多少の凹みやキズなら修理しないことが多いみたいです。
自己主張が強いという国民性の違いから、日本とは明らかに考え方が違うということです。
しかしその事を特に批判するつもりはありません。それがその国の考え方ですし文化ですから。
日本のように「空気を読む」みたいな文化ではないので、言葉にして言わないと相手には通じないという考えが根本にあると思います。
何事もハッキリものを言う気質というのは外国人では当たり前なのかもしれません。
アメリカの総人口は約3億人で、多民族国家ですから多様性に富んでいる国です。色々な人達がいるのは当然ですね。
クルマの歴史の違い
日本とアメリカはクルマに対する考え方がちょっと違います。
国土の広さに関係してますが、アメリカは広大な国土を持ち、クルマが主な移動手段になっています。
公共交通機関もあるのですが一部の大都市になるので、一般的にはクルマを使用するようです。
州を行き来するにもクルマを使いますが、日本と比べたら移動距離がハンパではないので、高速道路の近くや郊外の道路沿いにGSやモーテルが点在してます。
ちなみにアメリカのモーテルは旅行者や長距離移動するドライバーの為の一時的な宿泊施設ですから、日本とは使用目的がちょっと違いますw
州から州の移動距離は日本とは比べものにならないぐらいに長いため、運転で疲れないように大排気量で、それに伴いクルマはゆったり乗れるように大きな車体で余裕をもって作られてます。
ひたすらまっすぐな道が延々と続き、マニュアルで頻繁にシフトチェンジする必要がほとんど無いため、運転がラクなATが普及しました。
もともと資源が豊富な国なので燃費に関してはあまり気にせず、しかもガソリンは比較的安く手に入ります。
どちらかというと燃費にはあまり興味が無く、かなりの長距離移動でもゆったり快適に運転できるようなクルマが作られていました(今は違いますけど)
逆に日本は国土が狭い上に資源の乏しい国です。
石油は輸入に頼る他ないので、なるべく少ない燃料でどれだけの距離を走れるかということに重きを置いてます。
狭くて山の多い国土ということもありクルマはコンパクトに作られ、限られた範囲内で出来るだけ多くの人や荷物を運べるようなクルマ作りになってます。
国土の狭さゆえ街の中心地は人や住宅が密集し、道路も広く作れません。
郊外に行けば限られた範囲内の生活道路のような狭い道が多い傾向ですから、お互いに譲り合わないと先に進めません。図々しくて自分勝手な運転は嫌われますw
まとめ
海外、特にアメリカでの交通事故について記事にしました。日本とはまた違った感じで非常に興味深いです。
その国のドライバーにしても違いがあり、海外では個人主義の傾向があるので自分の権利を優先しますから、どうしてもわがままな運転に映ってしまうのかもしれません。
自分が観た感想としては、周囲への配慮が足りないと感じます。
各国の国民性が表れていて面白いですが、交通事故に共通している部分は変わらないと思います。
運転中は瞬時の状況判断が生死を左右することもあるので、どれだけ周囲の状況を把握して行動に移すかというのも重要になってきます。
上記にあるような行為をしないことも重要ですが、周囲のドライバーを尊重し、交通ルールに関する教育を徹底していくのも必要になってきます。
今回色々な事故映像を見て感じた事は「人の振り見て我が振り直せ」です。
これからも安全運転を心がけたいです。
*この記事は、自分の体験、過去の記事や報道、ネットで調べたことを元に記事にしています。もしこの記事の内容に間違いや勘違いなどありましたらメールなどでご指摘下さい。今後の執筆の参考にもなりますので、是非ご意見お待ちしています。